出会い。
自転車に乗っていると色んな出会いがある。
今日は板橋から秩父の顔振峠まで行って来て、そこでもまた素敵な出会いがあった。
https://tabelog.com/saitama/A1106/A110603/11003386/dtlphotolst/4/smp2/
これは、その顔振峠の頂上にある平九郎茶屋。
ヘロヘロになりながら中に入ると、楽しそうに飲んでいる三人の先客が。
うどんを注文し、しばらくスマホをいじっていると、
(うどんはもちろん大変美味でした)
気の良さそうなおっちゃんが
「どこから来たんですか?」
と、話しかけて来た。
あまりにも楽しそうだったので
「板橋の○○からです」
と、
ドヤ顔気味で答えてみたところ、すぐに意気投合。
話を聞くと、その方も自転車に乗っているらしく、
「チネリのヴィンテージに乗ってたけど盗まれてしまった」
「昔の自転車は本当にかっこよかった」
「今年のジャパンカップは最終週からずれて見に行けなかった」
などなど、色んな話をした。
名残惜しくも、暗くなる前に帰らなければいけない僕は、40分くらいで店を後にしたが、その時間は暖かく、とても長く感じた。
「気をつけて」
たった一言が本当に嬉しい。
と、ここまでは実は似たようなシーンがよくあるのだけど、違ったのはこの後。
「変な話だけど、大工とかに興味ない?うち、○○工務店って言うんだけど、もし興味あったら連絡して見て」
と、僕の転職先の心配までしてくれたのだ。(現在、転職活動中でその話もしていたため)
人って暖かい
こういうところで出会ったから、というのもあると思うけど、初対面の人間に対してここまで尽くしてくれる人ってそうはいない。
これは経験なんだけど、自転車を通して出会う人は本当に優しくていい人ばかり。
今回もまた、それを実感できたライドだった。
きつくてもまた走りたくなるのはこういった出会いがあるからなんだよね。
自転車の面白さ。
自転車レースは面白い。
これ、本当にたくさんの人に知ってもらいたいんです。
残念ながら、日本ではまだまだマイナーな競技ですが、近年はツール・ド・フランス埼玉が開催されたり(その年のツールドフランスの優勝者が日本で見られるなんてとんでもないこと!)ジャパンカップの来場者数も年々右肩上がりだったりと、確実に認知度は上がっていると感じます。
具体的に何が面白いの?
自転車レースの面白さはズバリ、「勝利への過程」にあると考えています。
脚力、精神力、忍耐力、瞬発力、、、
勝つためにはあらゆる能力が必要とされますが、戦略もそれ以上に重要となってきます。
白紙に0から勝利のプランを描く。
「どこでアタックをかけるのか」
「どこでアシストを投入するのか」
「アタッキングポイントで落車が起きた時、どのように対処するのか」etc…
つまり、最終的にレースで勝つのはたった一人ですが、アシスト選手や監督、メカニックなど、あらゆる人たちの協力無しには勝てないのです。
全てがうまく噛み合って初めて勝利を手にすることができます。
このことから考えると、例えばツール・ド・フランスを5連覇するような選手がどれだけ天才的に強いか分かりますよね。
レースに出て初めてわかる面白さ
さて、自転車レースは見るだけでも十分楽しめるのですが、深いところまで楽しみたいとなると、やっぱり自分でレースに出るのをお勧めします。
自分で乗ってみるようになると
- レース強度が想像できるようになる
- レースの動きに納得できるようになる
- より感情移入し、多くの感動や興奮を得られる
というようなメリットがあります。
特に最後の感情移入については、スタート前の緊張感、苦しい登り坂、ゴールした瞬間の喜びなど、自分が経験しているからこそリアルに熱量として伝わってきます。
実際、僕もレースに出て、よりリアルに楽しめるようになりました。
「自転車レースは人生だ」
最後に、この格言をご紹介します。
「自転車レースは人生だ」
文字通り、「山あり谷あり」を地で行く自転車レースは下手をすると死ぬこともある。
美しい自然や素晴らしい人々との出会い、別れ、山岳での絶望的な苦しみ、先の見えないトンネル。
人生においても同じようなシーンがきっとあると思います。
レースに出れば分かりますが、基本、ずっと苦しいです。
辞めたいと思うこともあります。
ですが多くの選手は勝利のため、確実に存在するゴールのため、苦しみながらも走り続けます。
そんな選手達の美しい生き様こそ、自転車レースを見る最大の魅力なのかもしれません。
英雄の引退。
自転車選手に限らず、スポーツ選手には必ず「引退」のタイミングが来る。
今年引退した選手で最も注目されたのがスイスのファビアン・カンチェラーラでしょうか。
カンチェラーラは大の日本好きとも知られ、引退の場として先日のジャパンカップを選びました。
自転車ファンとなら、誰もが認める彼の強さ。
最後まで「スパルタクス」の名前にふさわしい走りで魅了してくれた。
パオロ・ベッチィー二の時もそうだったが、引退とはやはり寂しいですね。